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「初診日が厚生年金なら3級(労働が著しい制限を受けるか又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの)があるのに、
国民年金は2級(労働により収入を得ることができない程度のもの)しかない」。
これは障害年金と就労をめぐる、理不尽な課題の一つです。今回は、この矛盾を社労士目線で整理し、改善の方向性を考えてみます。
国民年金の障害基礎年金は、「労働により収入を得ることができない程度のもの」が2級の原則。つまり、実質的にほぼ働けないことが受給条件です。
一方、厚生年金には3級があり、「働くに制限はあるが完全に働けないわけではない」状態でも給付を受けられます。
結果として、同じ障害の程度でも加入制度で受給可能性が変わる。そして、無事に障害年金の受給ができたとしても初診日において国民年金加入の人は、「少しでも働くと支給停止になるのでは」と恐れ、就労を諦めたり過度に制限したりせざるを得ません。
もちろん、障害者雇用などであれば2級でも働きながら年金を受給できるケースはあります。しかし、その場合でも「働ける時間や条件の幅」が極めて限られることが多く、選択肢が狭いのが現実です。
また、「年金の更新時だけ働かない」「調子が良くても収入を抑える」といった、マイナスの動機で働き方を調整する人も少なくありません。これは本人にとっても社会にとっても非効率であり、就労意欲を逆に削ぐ制度的な歪みです。
障害基礎年金2級の満額は約80万円/年(2025年度)。これだけでは生活できず、働く必要があるのに、働くと年金が止まるリスクが常に付きまといます。
この「ゼロか100か」の構造は、低所得工作や非公式の仕事を生み、本人にも社会にも非効率です。
うつ病や双極性障害、発達障害では、調子の良い日と悪い日が大きく変動します。「今日は8時間働けるが、明日は起き上がれない」という状況が頻繁に起こります。
現行制度は、こうした変動を無視して「就労可能か不能か」を白黒で判断しようとするため、医学的・社会的現実と完全に乖離しています。
*障害年金の認定要領には、「現症のみによって認定することは不十分であり、症状の経過及びそれによる日常生活活動等の状態を十分考慮する。」の記載はありますが、私の経験上、この通りの運用がなされているとは到底思えません。
現行制度では、国民年金は2級以上しかなく、働く能力がある人でも支給停止を恐れ就労を控えるケースがあります。そこで、厚生年金にある3級のように「労働に制限はあるが完全には不能ではない」状態に対応する「準2級」を新設。給付額は現行2級の50〜70%程度に設定し、就労収入と併給できるようにします。
これにより、更新月だけ働かないといった不自然な行動を防ぎ、就労意欲を高める安全網となります。
障害基礎年金、精神障害者福祉手帳、自立支援医療など、バラバラの制度を統合し、「障害の程度」と「所得・就労状況」に応じて柔軟に給付額を決める一本化制度を目指すべきです。
実際に障害年金と精神障害者福祉手帳の認定基準は非常に似ており、年金証書を持参すればほとんどの自治体で同じ等級の手帳に変更してもらえます。
こうした仕組みを制度として公式に統合し、デジタル化を活用して収入や就労状況の変化にリアルタイムで対応できるようにすれば、更新時の不安や「働くと年金が減るかも」というマイナス動機も大きく軽減されます。現場の声を制度に反映することで、より持続可能で公平な支援が実現できるでしょう。
現在の制度の最大の問題は、「働くことで給付を失うリスク」が、就労意欲を逆に削いでいることです。障害があっても「できる範囲で社会参加し、経済的自立を目指す」という当然の願いを、制度が阻害しています。
国民年金2級の制限は、働きながら受給可能なケースがあっても選択肢が狭く、更新時だけ働かないなどマイナスの動機で就労調整する人が出る原因にもなっています。
こうした制度改善のアイデアも、一人で考えていてもなかなか実現は難しいものです。少しでも声を届ける意味を込めて、筆者として厚生労働省に意見を提出しました。
現場の声を積み重ねることが、より働きやすく、安心して受給できる障害年金制度への一歩につながります。